平日の帰宅後に、だらっとお酒を飲みながらつまめるような何かがほしくなった。
私の思う最高のおつまみの条件は、何口食べてもなかなかなくならないこと。ほんの少しかじっただけでも、濃い味にお酒が進んでしまうこと。深夜に食べることが多いのでボリュームがありすぎないこと。手頃な値段で材料が揃うこと。作るのにそれほど労力がかからないこと。
それならこれでどうだ。クリームチーズのにんにく醤油漬け。1センチほどの厚みがある正方形のクリームチーズは、近所のスーパーにて6個入りのものが200円以内で手に入る。
【材料】
クリームチーズ 6個(1箱)
醤油 50ml
みりん 50ml
にんにく 1かけ
漬けだれは、同じ分量の醤油とみりんを合わせて作る。最近醤油にのめりこんでしまい色々な種類を買い集めているので、今回は濃口醤油と燻製醤油を25mlずつ使用することにした。ふわりと鼻を掠める燻製香がチーズに良く合いそう。
チーズをすべて並べられる大きさのタッパーを用意し、分量の醤油とみりんを入れる。軽くタッパーを揺すって混ぜ合わせた後、みじん切りにしたにんにくも投入。
それから、フィルムを剥いたチーズをお箸でつまみ、漬けだれの中にそっと横たえていく。側面にも漬けだれが回り込むよう、チーズとチーズの間にきちんと隙間を空ける。
チーズが漬けだれからほんのすこし顔を出していたので、タッパーを揺らして表面にも味をかぶせてあげた。
漬け込んだ翌日の夜から食べ始めた。3日めぐらいの味が濃すぎず薄すぎず、一番美味しかったように思う。
タッパーからチーズを一切れ、お箸でそっと引き上げて、九つに切り分ける。とろみのついた醤油とにんにくがチーズにたっぷりとまとわりついていて食欲をそそる。なんてお酒に合いそうな姿なのだろう。
切り分けたチーズはぱくっと口に入れてしまうのではなく、さらにお箸でつついて崩しながら食べるのだ。ほんの一かけでも、しっかりと味を主張してくれる。まったりと濃く、酸味も感じさせるチーズ。きん、と香るにんにくと醤油。
冷蔵庫で眠っていた茗荷を使い、付け合せを作った。茗荷一つを薄く切って、小さじ1程度のお酢と、たっぷりの粗挽き黒こしょうで和えるだけ。濃厚なチーズと醤油に、ぴりっと爽やかな付け合せは良いアクセントとなる。
一日一切れもしくは二切れをタッパーから取り出し、ちびちびと日本酒を飲みながらつついた。一週間ほど、存分に楽しませていただいた。
チーズを食べきった後も、日に日にとろみを増すにんにく醤油はタッパーに入れたまま。炒めものに使える美味しい調味料になるのだ。にんにく醤油を少し焦がして、ねぎや万願寺とうがらしに絡めて炒めるだけで、これまたお酒の肴になる。
ようやく空っぽになったタッパーが、早く中身を入れてくれと私にせがんでいる気がするので、今日はクリームチーズを買いに行こう。