最近、暇さえあればNetflixで「Let’s eat(ゴハン行こうよ)」という韓国ドラマを観ている。恋愛あり、笑いあり、ミステリありでのんびり楽しめるところが魅力だが、何より韓国料理を食べるシーンがよい。たまらない。食欲をそそるビジュアルと音、毎回至福の表情で料理を頬張る登場人物たちを見ていると今すぐにでも韓国へ飛び立ちたくなる。

ドラマの第5話で登場したのが、「プデチゲ」なる鍋料理だ。赤い色が鮮やかな具沢山のスープの中に、たっぷりの麺を入れて食べる。それも、ライス片手に、である。プデ、というのは韓国語で部隊という意味で、インスタントラーメンや、ソーセージ、スパムなどを入れて韓国の兵士が食べていた鍋料理だそう。秋が深まりだんだんと寒くなってきたので、家でプデチゲを作ってつつきながらのんびり「Let’s eat」の続きでも観ようと思う。

台風の中、近所のスーパーへ買い出しに行く。野菜は白菜、ねぎ、玉ねぎ、舞茸。この辺は、好みでよいようだ。プデチゲをプデチゲたらしめるのは、スパムやソーセージといった加工肉。大好きな香薫と、流しの下に転がっていたスパムを使う。キムチは、甘めでとろみがあるようなものより、きりっと尖った辛さのものが合いそうな気がする。お豆腐も買ったのに入れ忘れてしまった。

続いて、カルディでその他の食材を調達する。韓国でよく使われているだしの素である、ダシダ。たっぷり入れたい唐辛子粉。楕円形の平べったいお餅、トック。麺は、韓国のインスタント麺「サリ麺」と、辛ラーメンを購入。辛ラーメンに付いているスープを鍋に入れると、ジャンクでプデチゲらしい味になるらしい。

コチュジャンは、先日ひかるくんが韓国旅行のお土産に買ってきてくれたもの。日常的に登場する調味料でもないので、こういう時にたっぷり使わねば。

【材料(2人分)】
長ネギ(白い部分) 2本
白菜 1/4カットのものを5枚ほど
玉ねぎ 1/2個
舞茸 1/2パック
キムチ 約180グラム
ソーセージ 1パック
スパム 1/4缶
トック 1/2袋
サリ麺 1袋
水 800cc
ダシダ 小さじ2
ごま油 大さじ1
★粉唐辛子 大さじ1
★コチュジャン 大さじ2
★醤油 大さじ1
★おろしにんにく 小さじ2
※以下後入れ
辛ラーメン 麺1袋+スープ半分(かやくは不使用)
とろけるスライスチーズ 2枚
卵 1個

まず、土鍋にキムチとごま油を入れ、焦げ付かないように気をつけながら弱火でキムチを炒める。

粉唐辛子、コチュジャン、醤油、おろしにんにくを混ぜる。ぺろりとなめてみると、辛いだけではなくコクのあるペースト。色が韓国料理らしい赤で、食欲が湧いてくる。

火を止め、食材を切ってキムチの上に並べていく。斜め薄切りにした長ネギ、薄切りにしてさらに半分の大きさに切ったスパム、ざっくりと食べやすい大きさにカットした白菜、手でささっとほぐした舞茸、薄切りにした玉ねぎ、半分になるよう斜め切りしたソーセージ。真ん中にトックを置き、もったりと重い調味料をかぶせる。水にダシダを溶かし、鍋にざーっと注ぐ。あとは、蓋をして火をつけて待つだけだ。

そわそわしながら待っていると10分も経たずに沸騰して隙間から吹きこぼれんばかりになったので、ひかるくんと一緒にキッチンへ駆け込んだ。熱々の蓋を取ると、いい色になったスープが現れる。野菜がくたっと煮込まれて美味しそう。

真ん中にサリ麺を投入。菜箸でスープに沈めながら煮込んでいると、2分ほどでやわらかくなった。プデチゲ、完成である。

具だくさんなのでおかずはいらないかなと、付け合せにはあまったキムチだけを用意した。ごはんを炊き忘れていたことに気づき、ひかるくんがしょんぼりしてしまったので慌てて炊飯器にお米をセットする。まずはビールで乾杯。

熱々のスープをすすり、はふはふ言いながら野菜を頬張る。お箸が止まらず、気づけば無言で食べている。まさに、「Let’s eat」の登場人物たちのよう!ハッとするほどの辛さはないが、知らず知らずのうちに身体の芯からじんわり熱くなる。くったりとやわらかな野菜と、ぷりぷりとジャンクな味わいのソーセージやスパム。弾力がたまらないトック。そしてたっぷりスープを吸った縮れ麺。具材の味わいや食感が様々で面白い。

急速炊飯モードのおかげで、それほど待つことなくごはんが炊けた。ドラマでプデチゲを食べていたシーンを思い出しながら、ごはん片手に鍋をつつく。ちょっとやってみたくなってしまう、麺onライス。

おなかがふくれ始めたが、プデチゲに入れるべき食材はまだ残っている!真打、とろけるチーズと辛ラーメンの登場である。鍋の中に少し具材を残したまま、辛ラーメンの麺とスープ、チーズを入れて蓋をせずにぐつぐつと煮込む。麺がやわらかくなったら、真ん中に生卵を落として10秒ほどで火を止め、完成。ブデチゲ第2幕。ジャンクそうな見た目にときめく。

卵の黄身をぷにっと割って、周りと少しなじませてから食べる。辛ラーメンのスープによって、ぴりっとした辛さが加わってこれまた美味しい。そして何より、辛さを増した麺にもったりとまとわりつくとろけるチーズ。これがもう興奮するぐらい美味しいのである。チーズタッカルビなんかも流行っているが、コチュジャンの甘辛さとチーズは相性抜群のようだ。胃がむくむくと拡張して、別腹無双状態。とろりと絡みつく卵黄によってさらにコクが増している。

ここで、マッコリ登場。チーズと共通するまろやかさがありながら、さっぱりとした後味なのでこれがまた目の前のお鍋とよく合う。ガンガン注いでぐびぐび飲む。とにかくご機嫌だ。

空になったお鍋を見て満足感を覚えながら、ごろりと横になる。こんな休日もいいな、と思う。

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