好きな人の帰りを待ちながら、ラー油を作る夜更けって素晴らしい。

とんとんとん、と食材を切る。スパイスをすり鉢で粗く潰す。じっくりと熱した油をボウルに注ぎ込むと、じゅわあと膨れ上がる泡、そしてキッチンに立ち込める刺激的な香り。ラー油作りの工程は私の目や鼻を存分に喜ばせてくれた。意外と手間がかからずに、自分好みのおいしいラー油を生み出すことができる。

ラー油を作ろう、とその日の朝に思い立ったので、スーパーで手に入るものや家にあるものを使って第一弾を試作してみることにした。この日はスーパーに生姜が売っていなくて意気消沈。次回はぜひ材料に加えたい。唐辛子は、ホールもパウダーも、家にたくさんあったカイエンペッパーを使用してみた。本当は中華食材屋さんで唐辛子を買ってきた方が味に深みが出そうなのだけれど、これもまた次回。

【材料】
・ごま油 100g
・サラダ油100g
・一味唐辛子 2袋(28g)
・カイエンペッパー(パウダー) 10g
・カイエンペッパー(ホール) 2本
・花椒 2g
・八角 1個
・にんにく 2片 みじんぎり
・ねぎの青い部分 約1本分
・塩 2.5g

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にんにくは、1片をみじん切りに。もう1片を薄切りにする。芽の部分は焦げやすいのでしっかり取り除いておく。

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みじん切りにした方のにんにくを、大さじ1程度のサラダ油(分量外)でじっくりと炒める。フライパンにサラダ油とにんにくを入れてから火をつけて、フライパンの端に油とにんにくを寄せてじっくり、じっくり。青臭い匂いが飛んでうっとりするような香りになったところで、焦がさないようにすぐに火を止める。真っ白だったにんにくは、こんがりきつね色。

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花椒と八角は香りが立つように粗く潰す。スパイスの香りに包まれて、幸せを感じる瞬間。種類や量を変えれば、ラー油の味わいも変わるはずなので、なんだか実験みたいで楽しい。すり鉢がなければ、スパイスをラップに包んでから瓶などの重いもので上からごりごり押さえつければ良い具合に潰れそう。

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大きめのステンレスボウルに、粗く潰したスパイス、一味唐辛子、パウダーのカイエンペッパー、塩を入れてよく混ぜ合わせる。ステンレスボウルではなくても、耐熱容器であれば良い。油を注ぐ時に泡が勢いよく盛り上がるので、大きめな容器の方が安全かな。

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次に、ごま油とサラダ油を入れたお鍋を火にかける。油と一緒に、ねぎの青い部分とスライスしたにんにくも投入。弱火で静かに熱していく。中華鍋だったらもっと雰囲気が出るのだけれど。また合羽橋をうろつきに行こうかしら。

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最近、非接触式温度計を購入したのだけれど、この子がとても優秀。対象物に触れなくても、表面の温度を感知することができる。温度計を汚さずに、さっと油の温度を測れるのはとても良かった。肌触りもよく、近未来チックで大好きなアイテム。弱火の時点では、油は120度前後。

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ねぎがしんなり、にんにくがこんがりしてきたら、ねぎとにんにくを油から取り出して、火を強める。温度計で計測を続けると、怖いぐらいに温度が上がっていく様子がわかる。200度に達したところで火を止める。

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熱々の油を、ステンレスボウルに注ぎ込む。5回ぐらいにわけて、そっと。油があちこちにはねたりはしなかったけれど、しゅうううううっと大きな音を立てて泡が立つので少しどきどきした。

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続いて、先ほど炒めておいたみじん切りのにんにくも入れて、ぐるぐると数回混ぜる。この日はここまで。ラップをして、常温で一日寝かせておく。

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次の日、保存容器に注ぎ込んだ。容器の中に、ホールのカイエンペッパーを2本入れて、さらに辛味を強める。これで、自家製ラー油が完成した。眺めていると、なんだか幸せな気持ちになれる。

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カイエンペッパーを使っているからか、尖った辛さが舌を刺激する、激辛ラー油になった。辛いもの好きにはたまらない。料理に使う時は、底に沈んだ花椒などもすくってあげると、スパイスが複雑な味わいを添えてくれる。鮮烈な赤色が美しい。早速、麻婆豆腐や麻婆茄子を作ったり、野菜に和えてみたりした。食卓に中華料理が並ぶ日が増えたので、紹興酒でも買おうかと思案中。蒸したキャベツの上からかけたり、たたききゅうりを1:1のラー油と醤油で和えるだけでも良いお酒のあてになる。

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自分好みの食材を、自分好みの量で。もしかしたら失敗するかもしれないけれど、美味しく仕上がった時は手間をかけた分だけ嬉しい。これだから、自家製、ってやめられないのだ。

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