自炊が続くと、自分では作れないような美味しい料理を外で思い切り食べたくなる。
日曜日の朝、そんな気持ちに襲われた。

行きたいお店リストとにらめっこし、うんうん悩みながら近場の5軒を選びだす。
リストには3,986軒登録されており、中でも特に行きたい、というお店を探し出すのに骨が折れるのである。
候補の5軒をひかるくんに見せて、「鍋の気分ではないなあ」などと絞り込んでもらう。
候補から外されると途端に惜しくなるこの気持ちはなんだろう。ああ、鍋よ。

結果、夜は池尻の+ruli-roへ行くことになった。

池尻大橋駅の西口から歩いて6分。スーパーオオゼキの向かいに+ruli-roはある。
ウッディで明るい店内に入ると、2階へ案内された。日曜の夜なのでお客さんもそれほど多くなく、のんびりくつろげる雰囲気。

炭火焼きはできあがりまでに1時間ほどかかるので先に注文をお願いします、とのこと。
炭火焼きのメニューだけでも色々とあり悩んだが、ひかるくんと熟考を重ね、和牛ランプを選んだ。

シャルキュトリーの盛り合わせと前菜盛り合わせを頼もうとしたところ、前菜10種盛り合わせにシャルキュトリーもついてきますよ、と言っていただけたのでそれを選ぶ。
秋刀魚のコンフィも注文。

生ビールは三種類あり、私は志賀高原ビールにした。
IPAとのことでほろ苦く好みの味。

お通しはもちもちのパンと、燻製バター。
このバターがたまらなく美味しい。薫香がはっきりと感じられ、これ単品でお酒が進んでしまう。もし家にあったら毎日つついてしまいそう。

燻製バターをちびちびなめていたら、前菜の盛り合わせが到着した。
思わず「わあ!すごい!」と声をあげてしまう。大皿の上のお料理は、目を奪われるほど色とりどりで美しい。

ラタトゥユ、レバーの燻製、自家製ソーセージ、パテ・ド・カンパーニュ、スモークサーモン、キャロットラペ、豚のリエット、などなど。
「覚えられましたか?」と店員さんに聞かれたが、正直覚えられないほど品数が多く、宝石箱みたい。
「これ美味しいね」「こっちも美味しい!お酒に合う!」と二人でちょこちょこ前菜をつまむ時間が本当に幸せで、満足感でいっぱい。

秋刀魚のコンフィは、とても柔らかくて頭までいただける。途中でレモンをかけ、さっぱりとした味わいを楽しむ。付け合わせに、お野菜がたくさんあって嬉しい。
「2切れあるけど、どっちを食べる?」とひかるくんと相談し、頭に近い方の半身をいただくことに。ほろ苦い肝の部分がとても好き。

赤ワインはグラスで2杯注文した。ワインリストはなく、店員さんに好みをお伝えして持ってきていただく。
最初は果実味が強いものを。2杯めは少し重く、スパイシーなものを。どちらのワインも料理によく合い、美味しい。

いよいよ、待ちに待った和牛ランプの炭火焼きがやってきた。
ナイフがすっと入る柔らかさ。もっちりした赤身を噛みしめると、途端に旨みが広がる。

A5だと霜降り部分が多くなりすぎてしまうそうで、炭火焼きを最も美味しく食べられるようにとA4のお肉を使っているそう。
等級が高ければ高いほどいいという訳ではなく、調理法や味付けに合わせた食材選びが大切なのだと学ぶ。

こちらも付け合わせのお野菜がたくさん用意されている。ソースをたっぷり吸ったフライドポテトもたまらない。

目でも舌でも鼻でも存分に料理を味わい、おなかも心も満足感でいっぱいだ。
美味しい料理とお酒によって会話も弾み、とても楽しい夜だった。
3,986軒のリストから+ruli-roを選んでよかったな、としみじみ思いながら帰路についた。

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