渋谷の東急百貨店で、赤紫色の立派なねぎを3本買った。
山形の伝統野菜で、平田赤葱というらしい。
普通のねぎの2倍以上のお値段だったので売り場の前をうろうろしながらしばらく悩んだけれど、ずっしりとした重みと、他のねぎとは比べものにならない太さが気になり思い切ってかごに入れてみた。

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昨日は、たまり醤油をちょろっと垂らしてごま油で焼いて1本食べた。

今日はどうやって食べようか、と思案していたところ、ふと去年の冬によく作ったスタンディングねぎ鍋のことを思い出した。
魯山人も作っていたという、牛肉とねぎだけのシンプルな鍋だ。平田赤葱は火を入れると糖度が増すそうで、お鍋の具にはもってこいである。
2本残ったうちの太い方を使うことにした。どのぐらいやわらかくとろけるか楽しみ。

【材料(1人分)】
平田赤葱 1本
すき焼き用牛肉 130gぐらい
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ1

まずは、ねぎを3cmぐらいに切り、土鍋の真ん中に立てていく。

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醤油、みりん、酒を回しかける。3つとも気に入ったものを揃えているので、自炊をするとこの味付けになることが多い。
最近買った丸又商店のオーガニックたまり醤油は、角がなくまろやかな味わいで早速お気に入りの一つになった。

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ふたをして、弱火で5分ほど煮る。
お箸でねぎを一本一本ひっくり返して、追加で2分ほど煮る。
ねぎが少しくたっとしてきたら、ねぎの周りに牛肉を敷きつめる。このタイミングでお肉を入れればかたくなりにくい。

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ふたをしてさらに数分煮込む。時折ふたをあけ、牛肉をひっくり返してまんべんなく火を通してあげる。
お肉の赤い部分がなくなれば完成だ。

まだぐつぐつ音を立てる熱々の土鍋をテーブルまで運ぶ。
今日は、スタンディングねぎ鍋と、納豆押し麦ごはん。それから、柚子豆腐と梅干。

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納豆は、小田急百貨店の秋田物産展で買った二代目福治郎納豆だ。
器に入れて少し混ぜると、これまで見たこともないほど粘りが強く驚いた。面白いのでいつまでも混ぜていたくなる。

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煮汁と牛肉の脂を吸ってしんなりやわらかくなった赤葱は、肉厚で食べごたえがある。
何層にもなったねぎを噛みしめると、甘みがとろんと溢れ出す。

一年ぶりのスタンディングねぎ鍋に、また冬がやってきたんだなあ、としみじみしてしまった。
それにしても自炊用に牛肉を買うなんて、スタンディングねぎ鍋の時ぐらいだ。こんなシンプルな鍋なのに、贅沢をしている気持ちになる。

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納豆にはたまり醤油を少しだけ垂らした。あまり味をつけなくても、大豆の甘みが強いので美味しくいただける。
物産展でもらった説明書きには、「日本一高いといわれる納豆」と書いてあった。今日2つめの贅沢。

ごはんを少しあまらせて、残った煮汁に入れる。お鍋は〆まで楽しめるからいい。

平田赤葱は残りあと1本だ。
明日はどうやって食べようかな、なんて悩む時間もまた楽しい。


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