最近、お蕎麦が好きだ。ヘルシーで量も少ないので、暴飲暴食をした次の日はお蕎麦を食べるように心がけている。自分の中でのリセット食。出されたそば湯まで全部飲み切ると、だいぶおなかが満たされる。
昔はお蕎麦が苦手だった。今ではとても心躍るお蕎麦の香りも、子供の頃はひどく耐えがたかった。観光地のお蕎麦屋さんに行っても、注文するのは親子丼や天丼。お蕎麦派かうどん派か、と聞かれた時はコンマ1秒も置かずに「うどん!」と答えていた。好きになったのは、大人になって日本酒と一緒に味わうことを覚えてから。そば味噌をちびりちびりとつまみつつ、おちょこを傾ける。しめのお蕎麦は、つやつやしてまるで宝石のよう。人の嗜好って変わるものね。
最近めぐっているお蕎麦屋さんの中でも、新橋ときそばは食べごたえのある太打ちの麺を出していて印象的だった。量がすごく多いというわけではないのだけれど、一本一本の存在感がおなかを幸せにしてくれる。
注文した越前おろしは、大根おろし、ねぎ、鰹節がたっぷり使われたお蕎麦。麺が見えないぐらい、こんもりと乗せられている。とても身体に良さそう。
削りたてだという鰹節とお蕎麦、そしてつゆの香りがふんわりと鼻をくすぐる。大根おろしは心の中でひいひい言ってしまうぐらい辛い。シンプルなようでいて、色んな味を楽しめるメニュー。
気に入ってしまったので、一週間後ぐらいにまた訪問。今度は剣客そばを注文した。貝割れ、もみ海苔、ねぎ、そして生姜。越前おろしのような際立った辛味がない分、こちらの方がつるっといただける。面白かったのは越前おろしの方かな。けれども剣客そばの生姜の香りも捨てがたい。
蕎麦湯は、一口目からどろりと濃厚。しっかりとした甘みがあって心ときめく。つゆを加えずにそのまま楽しむのが良い。ここでしか飲めない蕎麦湯だと思う。
次は細打ちのお蕎麦にも挑戦してみたいけれど、太打ちを気に入りすぎてしまったのでまた越前おろしかもしれない。
新橋ときそば (そば(蕎麦) / 御成門駅、汐留駅、新橋駅)