味というより、醤油の香りに胸がきゅんとするラーメンだった。どんぶりから立ちのぼるふくよかな香りが鼻先をくすぐると、食欲はより一層高まる。

醤油はストレートな味わいで、飾りっ気がなくパンチが強い。そこに、ざく切りにされた長ネギの瑞々しい辛味が加わる。チャーシューは、薄くて少しぱさっとしたもの。スープも具材も非常に素朴である。ごてごてと余計な飾りは何もない。

醤油の味がとても濃く出ているため、ごくごくと飲める類のスープではなかった。けれども、私の代わりに麺がスープをたっぷり吸ってくれるため、直接飲まなくてもしっかりと醤油の濃厚さを味わえる。ネギは、そのままいただくといささか辛味が強いように感じられるが、一度ちゃぽんとスープに沈めてみたところ、良い具合に味を吸って柔らかく優しくなった。

まるっと太い麺は非常にコシが強い。ぐっと噛みしめると、麺の味が主張する。スープに負けない強面の麺である。

中盛りでもそれほど多すぎるとは感じなかったが、ランチでさっくりといただくのであれば小盛りでも良いかもしれない。なにより、小は530円という破格のお値段であるところが素晴らしい。

麺屋7.5Hzは、飾らないシンプルなラーメンとそれに見合った価格設定が印象的なお店だった。腰を落ち着けて食べるというよりも、空き時間にさっといただくのに向いている。隣に座っていた人も、ラーメンの提供から5分かからずに食事を済ませて出て行った。塩気は強いものの、こってりとおなかを重くしないところも人気の所以かもしれない。

麺屋7.5Hz 新橋店ラーメン / 虎ノ門駅内幸町駅霞ケ関駅

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