2019年の秋に初めて訪れた台北と台南に魅せられ、2020年1月の頭に台北に再訪。ゴールデンウィークにもゆっくり行きたいね、航空券買っておこうか、と言っていた矢先に新型コロナウイルスが感染爆発した。

そこから、早3年。まだまだ状況はよくなったとも言えないが、COVID-19という未知の感染症について少しずつ研究や対策が進み、ようやく海を超えての移動がしやすくなってきた。

2022年12月29日、早朝の便で、夫と一緒に3年ぶりに台湾へ向かった。久しぶりの台湾旅行については別の場所で改めて書くことにして、まずは現在の入出国の流れについて書き留めておきたい。感染の状況に応じて刻一刻と変化するものではあるものの、近々台湾に行く方の参考になれば嬉しい。(私が台湾に向かう前は、詳細な情報があまり見つからず不安だったので……)

※ 2022年12月29日 日本→台湾、2023年1月3日 台湾→日本、の旅程での記録となりますのでご注意ください。最新の情報は外務省のサイト等をご確認ください。

前提

・日本在住で、6日間の観光目的で台湾に渡航
・夫婦ともにワクチン接種歴なし(なので、ワクチン接種証明書を持っていない)

日本出国前にやったこと

入出国の流れ・注意事項の調査

出発前にやらなければいけないことを真面目に調べ始めたのは12/19ぐらいから。以下のことがわかった。

台湾入境時
・日本から入境する場合、空港での検査(および、何かしらのCOVID-19の証明書の提示)は特になし
・空港で簡易検査キットが配られるので、入境当日(自主防疫期間0日目と呼ばれる)または自主防疫期間1日目に、自分で検査を行う。検査結果の追跡調査は行われない
・自主防疫期間は7日間だが、2日以内の簡易検査の結果が陰性であれば外出は可能
・自主防疫期間中は、独立のトイレ・バスがあるホテルなどに「1人1室」で滞在しないといけない。ただし、同一の旅行日程における同行者とは、同室で滞在可能。(たとえば、夫婦で一緒に移動していた私たちは、2人で1室に宿泊できる)

なお、この辺りは今後変わっていくと思うので、最新の情報は外務省のサイトの台湾の部分や、日本台湾交流協会のサイトを確認いただきたい。

日本入国時
・ワクチン接種証明書を持っていない場合、出国前72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書が必要
・上記の証明書は、台湾の空港でのチェックイン時に見せる必要があり、不備があるとそもそも帰国の飛行機に乗れない
・出国前72時間以内に受けたPCR検査で陽性になった場合、少なくとも5日間は台湾で隔離生活を送らないといけない

PCR検査の予約

ワクチン接種証明書を持っていない私たちにとって、一番のハードルは台北市内でPCR検査を受け、陰性証明書をもらうことだった。

陰性証明書は日本のフォーマットで発行してもらう必要があり、対応している病院も限られている。まず、病院をこの日本台湾交流協会のページにあるPDF(9月8日時点のもの)から探したが、基本的にサイトが繁体字なのでよくわからない……。ブラウザの翻訳機能を使っても、自主防疫期間中の人への注意書きなどの内容が判然としない。

「予約したのに行ってみたらNGだった」という事態が起きると大変なので、自分を安心させるためにも、結局HISの予約代行を使うことにした。予約代行プランというもので、1人あたり1,200TWD(12月時点で5,320円)だった。私たちは夫婦で予約が必要だったので、10,640円の出費になった。まあまあ高いけれど、検査日まで不安な気持ちを抱える必要がなくなったのでよかったと思う。HISへの申込み時点では、検査を希望した1月1日は「リクエスト予約(前払い)」だった。12/25に申込みをして、12/26にはHISから予約完了の連絡が来た。

HISが予約してくれた病院は、大安区の「台北市立聯合医院 仁愛院区」だった。私たちが泊まっていたハワードプラザホテル台北のほぼ隣で、たまたまだが、かなりありがたかった。後述するが、検査費用もそこまで高くない。検査時間は自分で決められず、HISからのメールに朝の8時と記載があったので、ホテルから遠いと結構大変かもしれない……。

必要書類の印刷

HISからのメールに、PCR検査結果に必要な書類の記載があったが、探しても見つからないものもあったので、結局これだけ持っていけば大丈夫だったというものを書いておく。

・e-ticket 2部 ※Peachから来た旅程確認メールをそのまま印刷すればOK
陰性証明書の日本フォーマット 2部このページから探した
・HISのバウチャー 2部
検査申請書 5部 ※これは台北市立聯合医院のもの。病院ごとに異なる。2部で十分だが、書き間違えたら嫌なので多めに印刷していった。

夫と私、それぞれで受付する可能性もありそうだなと思って、e-ticketやバウチャーなどをひと通り2部印刷して持っていってよかった。受付は一緒にできたものの、書類は個人ごとに管理されるので、人数分の枚数が必要になる。

「Visit Japan Web」の登録

Visit Japan Webのアカウント作成、利用者情報登録、スケジュール登録をやっておいた。日本帰国時に必要になるものなので、台湾でやってもいいのかもしれないが、バタバタするので早めにやっておくと楽。(実際、夫は帰国便の空港チェックインの列でバタバタとやった)

検疫手続の項目は、ワクチン接種証明書を「なし」で登録して、一旦おしまい。

台湾入境時・滞在中にやったこと

簡易検査キットでの検査

入境はとてもスムーズで、本当にコロナ禍以前の旅行のようだった。違うのは、入国審査場の手前で簡易検査キットが1人ずつ配られることぐらいだった。歩きながら箱を受け取るだけで、特に並んだりするようなこともない。

簡易検査キットは、鼻に突っ込むタイプの抗原検査のキット。ホテルに着いてから、部屋で早速検査をした。説明書は日本語のものはないが、図が丁寧で、英語のものでもわかりやすい。15分で結果が出る。

2日以内の検査結果が陰性だと外出できるので、1日おきに検査をして陰性であれば問題なく滞在ができる。なお、結果はどこかに提出したりする必要もなく、かなり性善説に基づいた仕組みだと思う。念のため、パスポートと一緒に結果の写真を撮影してみたものの、なんの証明にもならない気はする。

PCR検査

新年一発目、1月1日の朝8:00からPCR検査。眠くてもたもたしてしまい、8:20ぐらいに到着したが、特に締め切られたりはしていなかった。

前には5、6人並んでいて、日本人も多かった。受け付けの方は基本的には中国語を話すので、書類に不備があるとコミュニケーションがスムーズにいかないのか、列の進みが止まってしまう。私たちの前に並んでいた台湾の方が、日本語も堪能で、何度も列の先頭に行ってはサポートをしていた。

検査申請書をホテルで埋めてから行ったので、私たちはかなりスムーズに受付をしてもらえた。とにかくすべての項目をしっかり埋めるのが大事(「Identification No./Resident Permit No.」以外は全部書いた)。前に並んでいた人は、連絡先の電話番号などを書いていなくて引っかかっていた。受付は2人いっぺんに対応してもらえて、書類とパスポートを一人ずつ渡せば、サクサクと処理を進めていただける。

検査申請書に「Urgent case(NT$4500)」と「Regular case(NT$3500)」という項目があり、検査結果を当日受け取りたい場合は、Urgent caseを選ぶ必要がある。私たちは出発まで余裕があったので、料金の安いRegular caseの方にした。約15,000円ぐらいで、比較的良心的といえる。Regular caseは、翌日14:00〜22:00の任意の時間に受け取れる。なお、Urgent caseの方は当日18:00〜22:00が受け取り時間のよう。

書類を渡したあと、その場で精算をする。この病院ではクレジットカードの使用ができてよかった(もし現金しか使えなかったら、キャッシングしないといけなかった)。これは事前に調べても情報がなく、支払い時までずっとドキドキしていた。

支払いが終わったら、病院の外にある小さな検査室まで移動する。中に案内されて、鼻の相当奥まで棒を突っ込まれて終了。かなり痛い。夫は鼻血が出たらしい。検査自体は1分もかからない。

翌日、18:00頃に同じ受付に行き、もらっていた引換券のようなものを渡すと、スムーズに陰性証明書を受け取れた。英文のものと、自分で持って行った日本語フォーマットに記入されたものの2枚を渡してもらえる。日本帰国時に使用するのは、日本語フォーマットの方だ。

正直、ここで陽性の結果が出たらどうしようと、旅行中ドキドキしていた。陰性証明書が入った封筒を受け取って、胸のつかえが下りたような心地だった。ワクチンを打っていないと、まだまだ「いつもの旅行」のようにはいかない。

日本入国時にやったこと

桃園空港でのチェックイン

1月3日の18:00過ぎに台湾桃園国際空港に到着した。チェックインカウンターの列に並びながら、「Visit Japan Web」の「検疫手続(ファストトラック)」で陰性証明書の登録をしようと思ったが、登録するリンクが見つからず断念。これは定かではないが、「Visit Japan Web」のサイトに「搭乗便到着予定日時の6時間前までに申請していれば、入国までに審査完了します」と記載があるため、タイミングが遅すぎてリンクが消えたのかもしれない。

審査が完了すると画面が青色になるらしいが、私は黄色の画面のまま、列に並びながらアカウント登録を開始した夫は赤色の画面のままチェックインすることになった。特に審査のステータスは関係ないようで、日本語フォーマットの陰性証明書をカウンターで提示すればチェックインができた。

なお、この時に「Visit Japan Web」上で「携帯品・別送品申告」も済ませておいた。紙を手に入れて書く煩わしさがなくていい。

羽田空港での帰国手続き

飛行機を降り、長く続く通路を歩いていくと、空港の係員さんたちが前方で待機していた。そこで、「Visit Japan Web」の「検疫手続(ファストトラック)」画面の提示を求められる。私の画面は黄色、夫の画面は赤だったが、「2人でこれで行ってください」と黄色の札を渡された。

入国審査場の手前で、椅子に座った係員さんに黄色の札を渡す。2人で一緒に日本語フォーマットの陰性証明書を提示すると、確認はすぐに済んだ。陰性証明書をもらうまでは色々と大変だったが、終わってしまうとあっけない。

「携帯品・別送品申告」の手続きも済ませて、無事入国。久しぶりに日本語に包まれて、なんだかふわふわと不思議な気分だった。

旅行を終えて

まだまだコロナ禍以前のような旅行はできず、手間もお金もかかったが(ワクチンを打っていないと特に)、それでも久しぶりに海の向こうの地に足を踏み入れることができて胸が高鳴った。馬鹿馬鹿しい話かもしれないけれど、「日本の外に、広い世界があったんだな」とようやくリアルに思い出すことができた。

まだまだ、新型コロナウイルス感染拡大の状況は予断を許さない。そのような中でも、制限の緩和に向けて努力をしてくれている各国に感謝しながら、今しか見られない光景を見続けたいと思う。

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