今年の2月、トイプードルの子犬が我が家にやってきた。名前はアポという。
ゆくゆくは最強のキャンプ犬に育てあげるのが私の夢だ。

同居人のひかるくんと計画したゴールデンウィーク二泊三日キャンプにて、アポが華々しくキャンプデビューすることが決まった。
まだ齢5ヶ月でしつけも完璧とは言えないため少し不安もあるが、それ以上に楽しみでしょうがない。お散歩が大好きな子なので自然に囲まれてのびのび楽しんでくれたらいいな、と思う。

もういくつ寝ると……と指折り数えながら、犬連れキャンプ当日を待った。

キャンプ1日目

行き先は、千葉県市原市にある「一番星ヴィレッジ」。
もう5,6回は利用しているお気に入りのキャンプ場だ。
東京からアクセスがよく、緑が広がるフリーサイトでのびのびできる。

毎回、一番星ヴィレッジのそばにあるユニモちはら台というショッピングモールで食材などの買い出しをしているが、アポを車の中で待たせておくのは不安なので作戦変更。
レンタカーを借りてから近場のスーパーで買い出しを済ませて家に戻り、その後にキャンプ道具とアポを車に乗せるすることにした。

アポの入ったクレートは助手席の足元に。時折クレートの隙間からくんくんと鼻を出すのがかわいい。

大きな渋滞もなく、2時間弱で千葉に着いた。途中、スーパービバホームちはら台店に寄って炭を購入。ペットサロンもあるわんこフレンドリーなホームセンターで、犬連れで買い物もできるのが嬉しい。
駐車場でクレートからアポを出したら、少し吐いてしまっていた。
乗り物酔いをしてしまったかな、ごめんね……。

14時頃、一番星ヴィレッジに到着。
毎年夏に来ているので、帰省したかのような懐かしさを感じる。

いつもならわりとスペースに余裕があるのだが、さすがゴールデンウィーク、キャンプ場内にテントがひしめき合っている。
ペットOKのキャンプ場なのでわんこ連れの家族も多い。ついつい目がいってしまう。

奥の方へ進むと、開けた場所が見つかった。水場からは遠いが、周りをあまり気にせずのびのびできてよい。
なんだかんだ、毎回同じような位置にテントを張っている気がするな。

早速、冷えたビールで乾杯。
いつもと違うのは、テーブルの上にアポ用グッズが転がっているところ。

今回、アポを繋いでおくためのスクリューペグを事前購入した。
Amazonで買ったのだが写真から想像していたよりもだいぶ大きく、安定感は抜群だ。
早速ペグを地面に埋め込み、アポをクレートから出して繋いでみる。

およ?およよ?
アポさん、地面の草をむしゃむしゃ食べはじめた……!
周りの景色にちらりとも目をやらず、ひたすら草を食べている……!
アポが落ち着けるようにとローチェアも今回購入したが、乗せても即座に椅子からおりて草を食べている!

枯れ草が多くあまり体によさそうでもないので、椅子に乗せるのは諦めて膝の上に。
周りのワンコたちはみんなお利口さんにしているよう、と言ってみてもアポは知らんぷり。
しつけがなっていないということか。

運動したら少しは落ち着くのではと思い、水を汲みに行きがてらアポをお散歩させることにした。
広い原っぱをはしゃぎ回るアポ。
リードが短いので、アポの首が絞まってしまわないよう慌てて追いかける。

普段の散歩ではアスファルトの道路をたらたら歩くだけなので、草の上を縦横無尽に走り回ったり転げたりできるのが新鮮で楽しい様子。
草まみれになったアポを見ているだけでほっこりする。

キャンプのお昼ごはんは、やっぱりBBQ。ガンガン肉を焼き、焼けた分をすかさず食べ尽くし、冷えたビールを喉に流し込む。

焼くのと食べるとの飲むので忙しく、二人BBQの時は無言の時間が多い。
テーブルに置いたスピーカーから流れる音楽を聴きながら、たまに「美味しいね」なんて言う。
うとうとと目を閉じるひかるくんの膝の上で、アポがだらりとくつろいでいる。

甘い白ワインを探していて見つけた、日本ワイン。
カジュアルに飲めるし、しっかりした甘さなのでつまみをそれほど必要としない。キャンプにもぴったりだ。

千葉だからそれほど寒くならないだろうと思っていたが、夜になるとぐっと冷え込んだ。ダウンを持っていって正解だった。
暗い中アポを地面におろしておくのが心配だったので、夜はクレートの中に入ってもらうことにした。アポも寒そうに丸まっている。

温かいものが食べたいね、と夜ごはんはリゾットカレーになった。
私はカレー担当。ゴーヤやパプリカなど、大好きな夏野菜をたくさん入れた。
ひかるくんはお米の入ったフライパンを炭火にかけて、チーズチゾットを作る。
飯盒を持ってはいるけれど、ごはんをよい具合に炊くのは結構難しい。リゾットだとあまり気を張らずに作れていいなあ、と喜ぶひかるくん。

焚き火にあたりながらゆっくりお酒を飲み、寒いので早めにテントへ入ることにした。
ようやくクレートから出ることができ、テントの中を気が狂ったように走り回るアポ。
トイレが心配だったが、テント内にトイレシートを置いたらその上でしてくれた。えらいぞ。

誤飲がこわいので、寝る時にはもう一度クレートの中へ戻ってもらった。おやすみなさい。

キャンプ2日目

翌日、蒸すような暑さで目を覚ました。
ファスナーを開けてテントの壁をメッシュにすると、ようやく涼しい風が吹き抜け始める。

気持ちいいほどの快晴だ。
アポが熱中症にならないか心配で、水をこまめにあげる。

一日目に結構な量の食材を食べてしまったので、追加調達のためユニモちはら台へ行くことにした。

二人のうちどちらかがアポと車に残り、どちらかが買い出しをすることにしようと思っていたが、駄目元でユニモちはら台内のペットショップを覗いたところ時間預かりが可能とのこと。
アポを一時間だけペットショップに預けて買い出しをすることにした。買い物の際にこうした選択肢があるのは嬉しい。

遅く起きたこともあり、のんびりお酒を飲んでいるとあっという間に日が落ちる。

ひかるくんがスペアリブを焼いてくれた。
お肉がとてもやわらかく、骨からするりとはがれる。ぴりっと効いた胡椒がたまらない。

ユニモちはら台で仕入れたイタリアワインをあけ、スペアリブをつつきながら、最近はまっているバチェラージャパンを観る。

炭火で、ホイルにくるんだトマトとアボカドを焼いた。
たっぷり乗せたチーズがとろけて、ワインによく合う。

1日目は生憎の曇り空だったが、今夜は満天の星が頭上で瞬いている。
焚き火にあたり、「明日はいつもの温泉には行かずに、早めに東京に戻ろっか。レンタカーは夜まで借りてるし、シャワー浴びてからアポと一緒に大きめの公園へ行こうよ」なんて相談をしながらアポを見やる。椅子の上に置いたクレートの中で、毛玉のようになってすやすや眠っている。

アポとの初めてのキャンプ、制約も多いため行く前は少し不安があったが、いざ行ってみるとかけがえのない思い出になった。

原っぱではしゃぎ回るアポ、執拗に草を食べるアポ、クレートからすんすんと鼻を出すアポ、寝袋の上でごろごろするアポ。
色んなアポとゆっくり時間を過ごせて、とても幸せだ。


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