家の近所につけ麺屋さんがオープンしたと聞いたので、週末にひかるくんとお昼を食べに行った。新たに出会う麺のことを考えると、わくわく、そわそわが止まらない。らーめん茂木を通り過ぎ、めん和正を過ぎ、油坊主を過ぎ、「辿りつくまでに誘惑が多すぎるね……」などと話しながら246号沿いを歩いていると、ようやくお目当てのつけ麺竹川が見えてきた。

私は有機野菜つけ麺の並を、ひかるくんは特製竹川つけ麺の並を注文した。並の麺量は200グラム。量が変わっても値段は一緒なのだけど、軽くダイエットをしているので大盛りは我慢。

カウンター席の端っこに座ってしばらく待っていると、次々にお客さんが入ってきてあっという間に満席になった。オープンして間もないうえにそれほど駅から近くもないけれど、もう話題になっているようだ。

お盆に乗ったつけ麺が、カウンターごしに手渡される。つやつやと輝く、黄色みがかった麺が目を引いた。お皿の上で美しく折りたたまれおり、表面には粒が点々と散らばっている。貼り紙によれば村上朝日製麺所の特注麺だそうで、細すぎず太すぎず、弾力もほど良い。この麺に出会えただけでも来たかいがあった。

熱々の器に入ったつけ汁は、とろみがありつつも濃厚すぎない味。さっぱりとした甘さの鶏白湯である。割りスープを使わなくてもそのまま美味しく飲める。

つけ汁の中には、つくねが二つ沈んでいた。混ぜ込んである香味野菜の食感が良いアクセントになっている。こま切れのチャーシューはしっとりなめらかな舌ざわりで、噛みしめると旨味がじゅわっと広がった。ひかるくんの注文した特製竹川つけ麺には、こま切れになっていないチャーシューが入っていた、と後から聞いた。今度はそちらもいただいてみたい。

焼き目のついた色とりどりの野菜が、お皿にこんもりと盛られている。山口県萩市の有機野菜だそう。れんこん、かぶ、ごぼうなど、シャキシャキとした食感を楽しめるものが多く、麺のもちもち感とは対照的で良い。これはなんだろう、と名前のわからない野菜もあったが、とにかくみな美味しい。一口かじると、ぎゅっと詰まった野菜の甘味を感じる。

卓上調味料も心惹かれるものが多かった。黒七味は香ばしさを加えてくれる。大きめのゆずフレークをバラバラと入れると、甘みよりも酸味を感じさせる爽やかなつけ汁に早変わりする。麺にはレモンを絞っていただく。酢を少し垂らしてもいい。とろりとした鶏のスープと酸との掛け合わせは大好物である。

一番気に入ったのは、玉ねぎカレーペーストだった。そのままごはんにかけても美味しそうな粘度の高いもので、つけ汁に少し溶かすとあっという間にスープカレーのような味わいに変化した。スパイシーで香り高く、焼き野菜とも相性が良い。もう、にまにませずにはいられない。貼り紙で勧められていたように、魚介の割りスープをつけ汁に加えた後、野菜とカレーペーストを投入していただいてみた。これはライスがほしくなる。

麺を頻繁に食べていると野菜不足になりがちなので、竹川の有機野菜つけ麺のようなメニューに出会えるととても嬉しい。246号沿いにまた一軒、素敵なお店ができた。

つけ麺 竹川つけ麺 / 三軒茶屋駅西太子堂駅池尻大橋駅

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