深夜にふらりと入った油坊主。プチ減量中の身には、トマトの油そばがヘルシーで嬉しい。

なんて思っていたけれど、麺は非常にボリューミである。もちもちした食感の、ゆるく縮れた太麺。ラーメンと違って油そばにはスープという楽しみがない分、麺の美味しさで満足感が変わるように思う。油坊主の麺は、弾力フェチの私にぴったりだった。

具材の角煮は、あぶらがとろとろ。隠し味は黒蜜らしい。お肉料理に黒蜜って、コクが増して美味しそう。家でも試してみたくなる。

玉ねぎとネギが爽やかさを添え、粉チーズの濃厚な味わいがそこに加わる。さらに、トマトの甘みと酸味も。ぴしっと一方向を目指している味ではなくて、幾種類もの味わいが複雑に重なりあう油そば。お野菜もとれるし、いいなあこれ。深夜の女子ごはんにはぴったりである。がっつり食べたければ醤油の油そばなのかな、そちらも気になるところ。

(null)

油坊主の魅力は、なんといっても数多く揃えられた卓上調味料である。使用してみたのは、ごま、お酢、ラー油、レモン汁、ゆず、唐辛子、豆板醤。ごまは、粒のままのごまとすりごまが用意されている。他には、胡椒、にんにくが置かれていた。油そばの端に少しだけ調味料を加えては、どのように味が変わるのかを確かめてみる。一巡した後、今度は気に入った調味料同士を組み合わせてみる。これだ、という組み合わせを見つけたら、油そば全体に味をつける。一口食べては調味料に手をのばすというせわしない食事だったが、これがとても楽しい。とてもとても楽しい。

お気に入りは、ゆず。柑橘の爽やかな香りを楽しめる。それから、結構辛めの豆板醤。豆板醤は、チーズとの相性がばっちりなのである。キャンプへ行く時など、トロけるチーズと豆板醤を組み合わせて料理を作ったりする。濃厚な一品に仕上がり、ぴりっとした辛さで味がぼけない。

(null)

油そば自体の味云々というより、油そばと調味料の組み合わせを味わうことに終始していたような気がする。白米代わりに油そばを食べているような。さながら実験室のようで、わくわくしながら一人で存分に楽しめたお店だった。

油坊主ラーメン / 三軒茶屋駅西太子堂駅池尻大橋駅

スポンサーリンク