9月の終わりに夏季休暇をいただいたので、高尾山を登ることにした。秋の高尾山って好き。登山道を彩る草花や少し冷たくなり始めた風から、季節の変化を感じとることができて面白い。秋の登山は、夏を終える儀式のよう。
せっかく少し遠くへ行くので、事前に高尾山近くのラーメン屋さんを探してみることにした。検索をかけると、八王子ラーメンなるものを発見。鶏がらスープに醤油だれ、刻みタマネギが特色だという。気になる。
八王子駅から徒歩5分ほどのところにあるタンタンが、八王子ラーメンを出すお店の中でも有名な一軒であるようだ。土日祝は定休で、夏季休暇をいただいたのは平日月曜日。これを逃したらもう一生行けないかもしれないので、タンタンを訪問することにした。開店時間は11時から14時半までと短い。とてもレア度高め。
当日、目が覚めたらもう11時頃だった。お休みの日ってなかなか早起きができないな。慌てて支度をして家を出る。
八王子駅着が13時56分だったので、もしラストオーダーが早めでラーメンにありつけなかったらどうしようと心配していたが、お店の前につくとまだ8人ほどの行列ができていた。胸をなでおろして最後尾に並ぶ。この日、のれんが降ろされたのは14時40分頃だったので、それほど焦らなくても問題ないのかもしれない。日によるのかな。
30分ほど並んで、店内に入った。チャーシューメンはすでに売り切れ。大ラーメンを注文する。並が500円、大が550円、特大が650円なのでとてもお安い。嬉しい。
麺のかたさを聞かれたので、かため、玉ねぎ多めでお願いした。周りのお客さんもかためにしている方が多い。
しばらく待って、丼が手渡された。一口すすって驚いた。醤油ラーメンと聞いて想像していた味の二倍も三倍もやさしい。普段は煮干しがしっかり効いた醤油ラーメンをいただくことが多いので、これほどまろやかな醤油ラーメンにはなかなか出会わないのだ。スープこくんと飲み込むと、甘みすら感じられるほど。コクのある澄んだ脂がスープの表面を覆い、いつまでも熱々。細めの麺は、噛むとぷりっとちぎれる。スープがとても絡みやすい。
一枚入っていたチャーシューは、薄いながらも噛みしめるとじゅわっと旨味があふれるもの。チャーシューメンが人気なのも頷ける。
玉ねぎは、想像していた竹岡式ラーメンのような粗めの刻みとは異なり、ピューレのように非常に細かく刻まれていた。そのまま食べると青臭い刺激が広がるけれども、スープと一緒に口に含むと途端に甘く感じられるのが不思議。
大ラーメンは麺のボリュームが多くて満腹になった。よし、立ち上がるぞ、帰るぞ、と思いつつ、スープをすくったれんげをいつまでもいつまでも口元に運んでしまう。スープを全部飲むことはあまりないのだけれど、タンタンのスープは置きざりにして席を立つのがためらわれるほどおいしい。
高尾山登山は16時近くから開始。道が暗くなってきていて少し怖かったけれども、宝石のような夜景が堪能できた。
下山の途中で高尾山ビアマウントに寄り、食べ放題・飲み放題も楽しめて充実の夏休み。タンタンからの高尾山、良いコースだった。
タンタン (ラーメン / 八王子駅、京王八王子駅、京王片倉駅)