夏の初め、生後4ヶ月の終わりに、とある1日の過ごし方を書き留めた。

あれから2ヶ月。途方もなく暑い夏が、緩やかに終わりを迎えようとしている。もふとの過ごし方は、この夏を通じて大きく変化したように思う。

ずり這いで、自分の行きたい場所へ行けるようになった。私の身体に手をかけ、2本の足でぐらぐらと立てるようになった。椅子に腰掛けて、離乳食を食べるようになった。喜怒哀楽の表現が、ぐんと豊かになった。

もう、ぬいぐるみのようにコロンと転がっていた、あの頃のもふはいない。自分の意志で力強く動き、声を発して何かを伝えようとする。その姿は、ときに少年のようでもあり。

もふの成長が嬉しくて、嬉しくて嬉しくて、やっぱり少し寂しい。


5:30 (母)起床

8月中旬、夜間授乳がなくなった。生後6ヶ月と半月のことだ。なくなったというより、なくしたと言った方が正確かもしれない。

元々、もふは眠りが深くて長い。ただ、乳腺が詰まりやすいせいで、夜も3時間おきに起こして授乳せざるを得なかった。ところが、8月に入った頃から、間隔が7時間ほど空いても詰まることがほぼなくなった。そこで、夜間授乳をやめてみることにしたのだ。

23時頃に授乳をして眠り、5時頃に起きて授乳をする。毎日のスケジュールをそのように決めてみたところ、生活の質はぐっと改善した。毎日6〜7時間の睡眠を安定して確保できるようになった上、朝から活動すると気分もいい。

この日は、5時半に起床。アラームを使わなくても、自然に目が覚めた。もふはまだ寝ていたので、起きたら授乳を始めることにして、歯を磨き、おかゆ用のお米を水に浸ける。

5:50 (母)運動 |(子)起床

出産の1ヶ月後に始めた筋トレとストレッチは、日課として今でも続いている。時間は大体30分。途中でもふが起きたけれど、ベビーベッドに寝転んでぽやぽやとおもちゃをいじっているので、しばらくそのまま過ごしてもらう。

6:20 (母)離乳食準備

冷凍していたおかゆのストックがなくなり、この日は朝から作る必要があった。と言っても、吸水させていたお米をレコルトの自動調理ポットに入れて、スイッチを押すだけ。できあがりまでは、30分ほどかかる。卵黄も食べさせたいので、卵を茹で始める。

6:30 授乳

夫を起こしてオムツを替えてもらい、この日最初の授乳。夜の授乳から7時間以上空いたけれど、「多少張ってるかも」ぐらいの感覚だった。冬から続いた授乳の日々も、もうじき終わるんだなあ、と寂しい気持ちになる。

こくこくと母乳を飲むもふのほっぺたが、信じられないぐらい柔らかかったので、もちもちくんの歌(自作)を歌ってあげる。

すっきりと飲み切る前に軽く噛まれたので、授乳は強制終了。下の歯に続き、上の歯も生えてきていて怖い。

6:45 (母)運動

窓を開けると、朝の涼しい空気が部屋に流れ込んでくる。おかゆが完成するまで、もう少し時間がかかりそうだったので、『フィットボクシング』を10分間やることにした。最近、体重がなかなか減らなくなっているから、有酸素運動を増やしたいところ。

7:00 (母)離乳食準備

離乳食用に冷凍しておいた、ナスのみじん切りと、じゃがいもと玉ねぎのペーストを解凍する。おかゆは、自動調理ポットから1食分をお皿に移し、残りの4食分を冷凍する。

おかゆの上に、卵黄を乗せる。もふは卵のアレルギー検査で陽性が出ているので、量は耳かき1杯分。残りのゆで卵は私の朝ごはんになる。

私が離乳食の準備をしている間に、夫が大人の朝ごはんを用意する。食パンを焼き、コーヒーを淹れる。

7:20 朝ごはん

大人がごはんを食べているところを見ると、もふの食欲も増すようなので、食事はできる限り一緒にとるようにしている。多少慌ただしくても、食卓を囲む時間を家族全員で共有できるのは幸せなことだ。

離乳食は、大抵20分ぐらいで食べ終わる。その後、ダイニングとキッチン周りの片付けを5分ほどで済ませる。

7:45 沐浴

もふの沐浴は、半年間ずっと夫が担当し続けている。我が家は湯船に浸かる習慣がなく(夏は特に)、全員が朝にシャワーを浴びる。

最近会った、1歳になったばかりの子を持つ友人が、「お風呂で身体を洗うときに、洗っている部位を言葉で教えてたら、もう理解し始めてるみたい」と言っていた。その話を夫にしたところ、浴室から「左手を洗います。左の脇の下を洗います」という細かな実況が聞こえてくるようになり、笑ってしまう。

沐浴の間、私はベビーベッドのシーツを取り替えたり、洗濯機を回したりする。それから、さっぱりとした表情のもふに、ベビーローションを塗りたくる。

8:15 (母)休憩

夫がシャワーを浴びている間、ソファに座って一休み。起きてから約3時間、ここまでが慌ただしい。休憩がてら、保育士試験のテキストを読み進めることにした。もふは、ベビーベッドの上で眠そうにしている。

8:30 (母)シャワー・身支度 |(子)朝寝

私がシャワーを浴びて戻ってきたら、夫は仕事に出かけ、もふは寝ていた。この後は児童館に行くので、メイクをしたり髪をセットしたりする。

9:20 授乳

もふが泣きながら目を覚ましたので、この日2回目の授乳をする。外に出かけるので、ミルクも100mlあげることにした。今も混合栄養を続けていて、ミルクは1日に2〜3回、適当なタイミングで追加している。

9:40 おでかけ準備

マザーズバッグの中身を整理し、もふに服を着せる。このところ排便の頻度が減ってきていて、1回あたりの量が多く、漏れがちなので、「出かけるまでにしてくれますように」と祈りながら何度もオムツをチェックする。もう諦めかけていたそのとき、ようやく!

10:15 児童館へおでかけ

生後5ヶ月の終わりから、たまに支援センターを訪れるようになった。家よりも広い場所で動き回ることができ、おもちゃもたくさんあるので、いい刺激になっている気がする。

児童館は、先月は赤ちゃん向けのイベントがなかったので、この日が初めての訪問だった。読み聞かせやママ同士の交流タイムが用意されていて、もふだけではなく私も楽しめた。

帰り道にスーパーに寄り、夜ごはんの食材を買った。もふは、抱っこ紐の中ですやすやと寝息を立てている。

12:15 (母)昼ごはん |(子)昼寝

帰宅直後、もふは一瞬目を覚ましたけれど、ベビーベッドに下ろしたらすぐに寝た。ちょうどいいタイミングなので、自分の昼ごはんを作ることにする。

お米を炊いている間は、買ってきた食材を冷凍したり、夜の献立を考えたり。炊きあがったごはんに、納豆とキムチと生卵を乗せ、保育士試験のテキストを読みながらゆっくり食べる。

13:45 (母)休憩 |(子)昼寝

ごはんを食べ終わり、キッチンの片付けまで済ませても、もふはまだ寝ていた。児童館でたくさん遊んで、疲れているようだ。

これ幸いと、もふが起きるまではゆっくり読書を楽しむことにする。以前と比べて日中のもふの睡眠時間は減ってきているので、お昼寝をしている間の自由時間はとても貴重だ。

14:50 授乳

もふが目を覚まし、のっそりと身体を起こす。この日のお昼寝は長かった。前回の授乳から6時間近く経っていて、オムツもパンパン。

授乳をしながら、寝汗でしっとりと濡れたもふを抱きしめる。こうして触れ合うのがなんだか久しぶりに思えて、幸せを噛みしめる。

15:15 遊び

赤ちゃん向けのイベントや保育園見学は午前中が多く、午後は大抵家で遊んでいる。ベビーサークルの中に入って、私が積み上げた積み木を崩したり、ガーゼの引っ張り合いをしたり。

もふが今、一番熱中しているのは“ママ登り”で、おもちゃをすぐに放り出して向かってくる。座っている私の脚や、寝転がっている私のお腹をアスレチック代わりにし、ご機嫌な声を発しながら、よじ登ったり乗り越えたりを延々と繰り返す。ぐらぐらする身体を時々支えながら見守っていると、あっという間に1時間ぐらい経ってしまう。

もふは身体を動かす遊びが大好きだ。抱えあげて揺らすだけで、窓が割れそうなぐらいの笑い声をあげる。この日は、仰向けに寝転んだ私の上に、もふをうつ伏せにして乗せ、「カンガルゥゥゥケア゙ァァァァァ」と叫びながら左右にごろんごろんと転がってあげた。あまりの笑い声に、家が弾け飛ぶところだった。

少し落ち着いたタイミングで、絵本を読む。1冊しか読まない日もあれば、10冊以上読む日もある。

合間を縫って、ガーゼでの歯磨きも済ませる。生えてきている歯は、下が2本、上が1本。磨かれている間はきゃっきゃと笑って楽しそうだけど、たまに上下の歯で強めに指を噛んでくるので結構怖い。

17:10 授乳

もふが突然パタンと力尽き、グズグズ泣き始めたので、ベビーベッドへ運ぶ。このまま寝るかなと思い、犬が噛み散らかしたペットシーツを片付けたり、洗濯機を回したりしながら様子を見ていたけれど、むしろ泣き声の勢いが増してきたので授乳をすることに。今回はミルクを追加する。

8月の終わり頃から、夕方になると凄まじい声量で泣き喚くようになってしまった。私の心がきゅっと苦しくなる時間。

17:40 離乳食作り

授乳したら落ち着いたので、動きすぎてお腹が空いていたのかも。寝てはいないけれど、ベビーベッドにのんびり横たわっている。

この隙に、翌日の離乳食にする予定の鶏ささみを仕込む。筋を取って切り分け、レンジで加熱し、ハンドブレンダーでペースト状にしてとろみをつける。簡単な作業だけれど、初めてだったので少し時間がかかった。特にとろみを作るのが面倒だったので、今度とろみちゃんを買いたい。

18:05 (母)休憩 |(子)夕寝

もふがまた眠そうにしていたので、そっと様子を見ていたら寝始めた。読みかけだった本を開き、この日2回目の読書タイムに。

19:15 (母)夜ごはん準備

眠りから覚めたもふが、大声で泣き始める。泣き止む。また泣く。また泣き止む。抱っこしてあげれば、遊んであげれば、すぐに笑顔になるのだろうけど、夜ごはんの準備をしないといけない。

キッチンに入り、もふの断続的な泣き声を聞きながら、淡々と調理を進める。1日の中で、最も心が辛い時間。この日の献立は、つくね丼と、野菜とチーズのオーブン焼き。品数を減らし、調理家電をフル活用する。並行して、離乳食も準備していく。

20時過ぎに夫が帰宅した。もふもニコニコし始めて、ようやく心が落ち着く。

20:30 夜ごはん

夜ごはんの時間も、できるだけ家族3人で食卓を囲む。大きな口を開け、スプーンが近づいてくるのを待つもふ。離乳食作りは手間がかかるけれど、もふがパクパクと食べているところを見ると、いろいろなものを用意してあげようと思える。

21:10 授乳

離乳食と大人の夜ごはんをほぼ同時に終え、この日最後の授乳をする。ミルクも追加。

21:25 (母)食後のお茶 |(子)就寝

食後のティータイムは、ほっと一息つける大事な時間。夫とアイスを食べながら、YouTubeでオーディション番組の関連動画を見漁る。もふもしばらくベビーベッド越しに動画を見ていたけれど、気づいたら眠りについていた。おやすみ。

22:30 (母)休憩

寝床で読みかけの本を開く。読み切ってしまいたいけど、眠すぎてなかなか進まない。

23:15 (母)就寝

今夜中に読み終えるのは諦め、本を置いて目を閉じる。


もふが生まれてから毎日がてんやわんやだったけれど、最近ようやく生活リズムが整ってきた。起きる時間、運動の時間、ごはんの時間、寝る時間。こんなに規則正しく日々を過ごすなんて、産前にもなかったことだ。

一定のリズムで生活することで、先の見通しを立てやすくなり、心穏やかに過ごせる時間が増えた。もちろん落ち込むことだってあるし、イライラすることもある。でも、総じて前向きな気持ちでいられるようになった気がする。

大変なことはますます増えていくだろうけれど、もふと笑って過ごせる時間を、その貴重な一瞬一瞬を、毎日しっかり抱きしめたいと思う。

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